死へ生へ

ひと度、肉体を授かったからには
「死」へ向かいて「生」を全うすべく一所懸命

やがて死を迎え、肉体を離れて
魂の故郷たる幽界へ舞い戻り

「今一度、現界へーー！」
名残を惜しんで数百年、再び肉体の「生」を
待ち望んで生き永らえ、やがてーー

ふた度、肉体を授かっては
死するまで大地踏みしめ、歩み進める

こうして繰り返される輪廻
生も死も、長い永い人生の一環

現界に在ってはーー幽界は「死」
現界は「生」

肉体の生を受ける以前の人魂は
幽界に生を受けた経緯（いきさつ）あり

ゆえに、幽界は新たな「生」の場
魂に「死」はないなれども
肉体は「死」を免れない

常に死と生は背中合わせ
現界と幽界は隣り合わせ

肉体は消費期限付きなればこそ
「生」は懸命

「死」は苦悩でも忌むものでも、ましてや
語る事は御法度でも憚られるものでもなく

肉体をもって生きるものの定め

「死」の不安が「生」を駆り立たせ

躍動しては
生きる術（すべ）や知恵を見い出し

そうして懸命に「生」を輝かせ
成長の励みや生きがいとなりて

人魂の進化を促している



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